はがきや手紙は、一語一語、ことぱを選んで書くことができ、用件も正確に伝えることができるうえ、自分の気持を整理して的確に表現することができます。とくに目上の人や大切な人には、字の上手下手よりは、正しい書法で、こころをこめて書くことによって、説得力が生まれ、相手のこころを動かすことができるものです。はがきや手紙には、書き手の心情や人柄が
自然とにじみ出てくるからでしょう。
   本書は、そんなときのために役立つはがきの実例をまとめました。そして、はがきや手紙を書くたのしさを味わい、書的な美しさ、四季折々の情感が表現しやすいようにカットや模様の入ったはがきを多用しました。季節や文の内容を考えてカットや模様を選ぶと、さらに好感のもてるものになるでしょう。                                                                                          文字は、字形と一画一画の線に注意して読みやすい文字にすること、字間や行間、行の中心線に注意して行を整えることが大切です。手紙文全体は、行数や字配り、天地左右の余白、改行のしかたによって、美しさ、読みやすさが生まれてきます。美しいはがきは、読む人の息つぎまで考えた思いやりのある書きぶりであることも条件となります。
   また、手書きの文字に、男性用とか女性用といった書き方はありません。練習しているうちに、その人なりの温雅、清楚、剛直などの個性豊かな文字が醸成されてくるものです。           （本体 1100円）