お気軽にお問合せください
042-377-6493
① 手紙を上手に書くには、基本のひらがなを繰り返し、繰り返し練習することが大切です。 正しく、美しいひらがなが、リズムにのって書けるようになれば、手紙を書くことが楽しく なります。
② かなの美しさは、つづけ書き(連綿)によって、さらに強調されます。自然なつづけ方を習 得しましょう。無理なつづけ方をすると、かなの美しさが失われます。
③ 書道を学ぶひとの間では、かな文を美しく書きあげるために「変体がな」を使います。かな の多い行は、変体がなの使い方で変化が出るとともに、形もととのいます。一般の方も、教 養の一つとして身につけるとよいでしょう。
④ 手紙は、字の上手、下手よりは、ていねいに書くことが大切ですが、ていねいに書こうとす るあまり、筆運びの遅速、強弱のリズムを失うと、字が死んでしまいますから注意しましょ う。そうして、励ましや忠言はおだやかに、依頼やお詫びは誠実・丁重に、催促や問い合わ せはつつしみ深く、事務的なものは明確に、というように短い文で上手に表現できるように 工夫しましょう。
⑤ 手紙などに書く細字は、書学習の大切な基本のひとつです。芸術性豊かな作品を書く人だち でも、細字が書けないという人がいるのです。これでは書を学んでいるとはいえません。ふ だんから漢字の細字にも慣れ親しみ、練習を重ねましょう。
⑥ 毛筆で文章を書くときは、漢字を大きめに、かなは少し小さめに書きます。カタカナは、 ひらがなよりさらに小さめに書くと行全体が美しく見えます。
⑦ 書では、一宇一字の美しさとともに、文字の大小、つづけ書き、変体がな、漢字・かなのバ ランス、墨の濃淡、余白などを工夫して、全体の美しさを表現します。書物や各種書道展な どの書作品に興味をもって接し、書的な美しさを手紙にも応用できるようになると、美しい 手紙が書けるようになります。
⑧ 手紙は、相手の気持になって、ともに喜び、ともに悲しみ、ともに楽しむ真心を表現するこ とが大切ですが、喜びのときは墨色を濃く、悲しみのときは少々、うす墨で書くことを忘れ ないようにしましょう。(本体1,500円)